不動産投資

【入門用】アパート経営の基礎知識|メリットデメリット・マンション経営との違いについて

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経済的独立や早期退職を目指す「FIRE」の手段のひとつとして、近年注目を集めている投資方法として不動産投資があげられます。

「アパート経営」は、そんな不動産投資の手段としてポピュラーな手法であり、リタイア後の安定収入を確保したい層からも注目されています。

今回は「アパート経営をはじめたい」とお考えの方に向けて、アパート経営に必要な資金やリスクといった概論をお伝えします。

投資手段としての「アパート経営」

前述の通り、アパート経営は不動産投資の一種であり、アパート一棟を購入、あるいは建設して賃貸利用することで家賃収入を得ていくタイプの投資方法です。

では、アパート経営は株式投資やマンション経営といった投資手段とはどう違うのか。どのような人がアパート経営に向いているのかについて、見ていきましょう。

 

株式投資に比べて値動きが安定しているアパート経営

まず、アパート経営を含めた不動産投資と株式投資の違いですが、収入源として見た場合の安定性があげられます。株式は購入してすぐに価値が急上昇する可能性もあるものの、その逆に価値が下落するケースもあるため、決して安定的とは言えません。

それに対して、家賃収入を得るタイプの不動産投資は収入の値動きが少なく、株式投資のようにこまめな株価・市場チェックも必要ないことが特徴です。

 

アパート経営とマンション経営はどう違う?

一般的には、2〜3階の建物がアパートであり、3階以上の建物がマンションと呼ばれます。そのため、「アパート経営とマンション経営の違い」との観点からみた場合、大きく異なるのは物件の所有方法があげられます。

 

アパート経営においては一頭まるごと所有するのが通例であるのに対し、マンション経営では一室、あるいは数室のみを購入して賃貸利用するケースも多々あります。

 

アパート経営に向いている人とは?

アパート経営は「リタイア後の資金源を確保しておきたい」「現役時代から不労所得を形成してFireを目指したい」という方に向いた投資方法です。

参入初期は時間や費用をかける必要がありますが、その後は管理会社に物件管理などを任せれば、本業をこなしつつ副収入を得られるでしょう。

 

アパート経営のメリット

投資という観点から見た場合、アパート経営のメリットはさまざま存在しますが、代表的なものとしては以下のようなものがあげられます。

 

  • 不労所得/リタイア後の資金源になる
  • 節税に繋がる
  • 購入物件を担保にすれば低金利のローンを利用しやすい

 

安定した不労所得/リタイア後の資金を得られる

一棟まるごと買い取って行うアパート経営は、高い入居率を維持できれば安定的な副収入を得られます。

 

近年は公的年金の額が削減傾向にあったり、受給時期を遅らせることが検討されていたりするなど、リタイア後の資金確保について不安材料が多々あります。そこで比較的安定性の高いアパート経営に取り組めば、将来へのリスクヘッジになるでしょう。

さらに、自分がもとから所有している土地にアパートを建てて運営する場合は、本来なら放置されるはずの土地の有効活用にもつながるため、市場全体への貢献も果たしていると言えます。

 

節税に繋がる

相続などで土地を取得した場合、アパートを建築すれば、住宅用地としての適用を受けられますので、固定資産税の節税に繋がります(1)。アパートを賃貸物件として第三者に貸し出している場合は、相続税課税評価額が下がるため、相続税の減税を図ることも可能です(2)。

 

さらに、アパート経営で家賃収入を得るとサラリーマンであっても確定申告を行う必要があります。もし、アパート経営にかかる経費が家賃収入を上回って赤字になった場合、家賃収入には課税されないだけでなく、給与収入からマイナス分を差し引いて所得税を抑えることも可能です。

購入物件を担保にすれば低金利のローンを利用しやすい

アパート経営を行う際の課題のひとつとして「初期費用の調達手段」が考えられます。

多くは自己資金にプラスして不動産投資ローンを利用すると思われますが、担保なしのローンは金利が高かったり、変動型であったりするため負担が大きくなりやすい点がネックです。

しかし、アパート経営では例えば取得する物件を抵当に入れた不動産担保ローンを利用することで、より金利が低いローンを組めます。

アパート経営で発生するリスクの代表例

アパート経営において懸念されるリスクはさまざまですが、代表的なものとしては「空室リスク」「家賃滞納リスク」「災害リスク」「老朽化リスク」などがありますので、以下よりそれぞれを解説します。

 

なお、アパート経営にかかる他のリスクについては、同ブログ内の別記事でも紹介していますので、合わせてご参照ください。

アパート経営で発生するリスクには何がある?対処法とセットで解説

 

空室リスク

アパート経営で最も懸念するべきなのが、入居者がいない部屋が発生する空室リスクです。

アパート経営の収益源は基本的には家賃収入となりますので、空室が発生すればするほど、収入は下がってしまいます。

 

一部屋からとれる家賃は数万円程度ではありますが、空室の部屋が発生し、それが長引けば長引くほど、経営状態はどんどん悪化していきます。

 

アパート経営では管理会社への手数料や維持管理費などのランディングコストに加え、固定資産税などの税金を支払わなければなりません。これらのコストを家賃収入から賄うことができなければ、貯蓄や給与収入から回す必要があります。

 

家賃滞納リスク

空室に比べると発生可能性は低いものの、家賃滞納もアパート経営の収益に直接影響し得るリスクです。家賃が滞納されれば空室が発生しているに等しいにも関わらず、新たな入居者を募ることもできません。

特に本稿を執筆している2022年5月現在は、いまだに新型コロナウイルスによる情勢不安が続いており、コロナ以前に比べて家賃の支払いが滞る可能性も高まっています。

災害リスク

アパートという物理的な建築物を利用する以上、地震や台風、火災といった自然災害の被害に遭うリスクも懸念されます。最悪のケースでは、多くの資金を投じて取得したアパートそのものが一日で全損してしまう可能性もあります。

老朽化リスク

建物は経年とともに老朽化していきますので、それに伴って必要な修繕費なども増加します。

築年数が浅いうちはエアコンやフローリングの取り替えだけで済んでいたものが、築古になれば、お風呂やトイレなどの水回りにも対応しなければならなくなります。

 

さらに、老朽化した物件は入居者を集めにくく、家賃もあまり高く設定できないため全体的な収益も悪くなりがちです。

 

アパート経営の資金まわり

アパート経営をはじめるにあたって事前に綿密な計画が求められるのが、アパート経営全体の収益計画です。初期に資金に加え、年間で得られる家賃収入のポテンシャルや、利回りについて正確に把握しておく必要があります。

 

初期費用はどのくらい必要?

アパート経営にあたって新築・中古のアパートを購入する場合は、アパートが建っているエリアの賃貸需要や築年数、構造などによって大きく異なりますが、購入資金は数千万円規模になるのが一般的です。

元々持っている土地にアパートを建てるなら、物件の建築費用は1坪あたりおよそ50〜70万円前後になります。土地を購入するならさらに価格が上昇し、全体で数千万円から、場合によっては1億を超える資金が求められます。

それ以外にも、アパート経営では以下のような初期費用が必要です。

 

<アパート経営で必要な初期費用(取得費を除く)>

  • 不動産取得税…物件の固定資産税評価額 × 税率(3%)
  • 印紙税…1~3万円
  • 登記費用…~50万円程度
  • 各種保険料…〜50万円/10年契約
  • ローン手数料…借入額の数%
  • 外注費

以上の通り、アパート経営をはじめるにあたって必要な資金は多岐に渡ります。なお、アパート経営にかかる初期費用については、下記記事でもより詳しく解説しています。

 

アパート経営を行っていると発生する税金とは?|計算や節税の方法を紹介

 

アパート経営では何が収入になる?

前述の通り、アパート経営で主な収益源となるのは毎月支払われる家賃収入ですが、それ以外にも以下のような収入が発生します。

 

<家賃以外のアパート経営の収入>

  • 礼金…家賃の1~2ヵ月分
  • 更新料…家賃の1~2ヵ月分
  • 駐車場代…数千円/月

 

上記の内、礼金は賃貸契約をかわした名義人から入居初期に支払われる謝礼金であり、変換義務はありません。

 

それに加え、アパート経営の家賃には駐車場や設備などの維持費として「共益費」が含まれますが、厳密に法律で使途が定められているわけではありませんので、“アパート経営の収入”として捉えることも可能です。

 

さらには、アパートに自販機などを設置すれば、そちらも収入源として活用できます。

 

アパート経営では欠かせない「利回り」の計算方法について

アパート経営を行うにあたっては、初期に投資した金額に対して、最終的に見込まれる収益を予想する「利回り」について考えなければなりません。

 

不動産投資における利回りは「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」の3種類があり、それぞれの計算方法は以下の通りです。

 

<利回りの計算方法>

  • 表面利回り…「年間収入 ÷ 購入価格」
  • 実質利回り…「(年間収入 - 年間支出) ÷ (購入価格+購入経費)」
  • 想定利回り…「年間収入 ÷購入価格」(※満室を想定)

 

表面利回りは、投資計画全体の収益を仮で捉えるための目安の数値です。そのため、具体的にどの程度収益化できるかについては、具体的な費用まで含めて算出する実質利回りをみる必要があります。

 

想定利回は満室を想定して表面利回りを同じ方法で計算する、いわばアパート経営全体の

“収益のポテンシャル”と言えます。

 

アパート経営で欠かせない税金の基礎知識   

アパート経営において物件を購入したり、収益が発生したりすると税金が課税されます。以下より、アパート経営関連の税金の概要や所得税の計算方法、確定申告の基礎知識について解説します。

 

アパート経営で発生する税金

アパート経営で発生する税金は物件の「取得時」「保有時」「売却時」の各タイミングで大別でき、それぞれ以下の通りです。

 

<取得時に発生する税金>

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 印紙税

 

<保有時に発生する税金>

  • 固定資産税/都市計画税
  • 所得税/住民税(※家賃収入に課税)

 

<売却時に発生する税金>

  • 所得税/住民税(※譲渡収入に課税)

 

上記のうち、アパートを売却した際に課税される譲渡所得税については、物件の所有期間によって「5年以下の短期譲渡所得」「5年超の長期譲渡所得」に分けられます(3)。この場合、長期譲渡所得税の適用を受けた方が住民税・所得税の税率が低くなりますので、アパートの売却はなるべく5年経ってから行いましょう。

 

アパート経営で発生する税金については以下の記事でも解説していますので、こちらもご確認ください。

 

アパート経営で支払い義務が生じる税金について|計算や節税の方法を紹介

 

家賃収入にかかる課税の仕組み

家賃収入を得た場合、年間の売上から必要経費・適用可能な控除分を差し引いた金額に課税が行われます。

 

税制において「所得」の種類はいくつかに分けられていますが、そのなかでも家賃収入は「不動産所得」に区分されます。不動産所得は課税前に必要経費を引くことが可能で、マイナスが出た場合は他の自分の所得と合わせて損益通算できます(4)。

 

課税額の計算方法については、以下の通りです。

 

<1.不動産所得の計算方法>

家賃収入 - 必要経費 = 不動産所得

 

<2.課税不動産所得の計算方法>

不動産所得 - 所得控除 = 課税不動産所得

 

<3.不動産所得税額の計算方法>

課税不動産所得 × 税率 = 所得税額

 

なお、上記の所得税については税額ごとに以下のように控除額が定められているため、実際の納付税額は上記の方法で算出した所得税額から、控除分を差し引いた金額になります。(5)

 

アパート経営をするなら確定申告はどうすればいい?

通常、給与所得者は年末調整を受けていますが、アパート経営を行えば、年間を通して得た不動産所得について確定申告をしなければなりません。確定申告が必要となるのは、不動産所得が年間20万円を超えたケースです。

 

不動産所得の確定申告で検討するべきは「青色申告」「白色申告」のいずれかの方法を採るかです。青色申告は複式簿記で資金の流れを記録したうえで、財務諸表を提出する必要がありますが、計上できる経費範囲の種類が多く広く、最大65万円の控除を受けられるなどのメリットがあります。

 

なお、青色申告を行うためには開業届を出して2ヶ月以内、あるいは青色申告を行う年の3/15までに事前申請が必要です。

 

経営する物件を決める際の判断基準

アパート経営を行うにあたって物件を購入するところから始める場合、「物件の立地条件」「周辺エリアの競合物件」「物件の入居状況」について考える必要があります。

 

物件の立地条件

アパートを賃貸物件として活用する場合、前述の空室リスクをなるべく下げるためには賃貸需要があるエリアに建っている物件を購入するのが望ましいと言えます。

人口・世帯数に加え、駅近かどうかなど、物件の周辺環境について事前に調査し、購入前に十分な賃貸需要があるかどうかを把握しておきましょう。

 

エリアごとの住民属性については、各都道府県や市町村が公開している情報を参照すれば確認可能です。そのほかにも、大手住宅メーカーやシンクタンクが統計情報をわかりやすくまとめて公開しているケースもあります。

 

周辺エリアの競合物件

立地条件にもかかわる話ですが、購入を検討している物件の周辺にある競合物件についても、事前に調査しておく必要があります。そういった情報は、不動産検索ポータルサイトや賃貸住宅情報雑誌に記載されています。

 

競合物件の入居情報や条件をみることで「自身で経営するアパートはどういった条件で貸し出せばいいのか?」「購入予定のアパートが競合物件に比べて優れている箇所はどこか?」などを可視化できます。

 

物件の入居者情報

中古物件を購入する場合、すでに入居者がいると思いますので「家賃はしっかり支払っているか」「ご近所トラブルはないか」など、事前にチェックしておきましょう。10年近く入所している利用者がいる場合は、物件を買い取った直後に水回りやエアコンなどの修繕が必要になる可能性もありますので、ある程度は資金に余裕を持っておく必要があります。

 

アパート経営に必要な知識をプロから学べる無料セミナー

MONEY PRODUCEは、人生100年時代にFIREを達成したい人をサポートする無料セミナーです。

アパート経営には欠かせない収益計画について、お金の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)に直接相談したり、投資計画を達成するための目標金額・達成までにかかる期間などの計算を完全サポートいたします。

 

そのほか、物件購入にかかる不安や確定申告に必要なノウハウの蓄積など、アパート経営では欠かせない知識を得られます。

 

参加は無料となっていますので、「アパート経営を始めたいけど、何をすればいいかわからない」という方は以下のフォームよりお気軽にお問合せください。

まとめ

アパート経営を適切に行うことができれば、毎月安定的な家賃収入を得ることができ、不労所得を形成できます。一方で、空室リスクや災害リスクなど、収益悪化につながる諸要素も多々存在します。

 

そのため、アパート経営を成功させるためには、必要な知識について把握したり、綿密な資金計画を立てたりなどの事前準備が不可欠と言えます。

 

参考:

※1

総務省,「固定資産税の概要」,https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_08.html,(2022/05/21)

※2

国税庁,「土地家屋の評価」,https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm,(2022/05/21)

※3

国税庁,「土地や建物を売ったとき」,

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm,(2022/05/21)

※4

国税庁,「所得の区分のあらまし」,https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm,(2022/05/21)

※5

国税庁,「所得税の税率」,

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm,(2022/05/18)

 

【記事を書いた人】

江尻啓介

フリーランスのライター、コピーライター

「Webコンテンツ」「ネーミング」「セールスライティング」に加え、

「セミナー資料」「ホワイトペーパー」など幅広く執筆。

BtoB、BtoCを問わずクライアント企業が事業拡大を果たす一助となり、

今後の日本社会に貢献することを信念としている。