近年、20代・30代の若い世代を中心に広がりを見せているFIREという考え方。
「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、
経済的自立を実現して早期退職をする生き方のことを指します。
実現できればいいけれど、自分にはとても無理なのでは……
と考えていませんか?
実は、きちんと目標や手段を考えておくことで、FIREを実現しやすくなるのです。
今回はFIREを目指す上で考えておきたいことについてご紹介したいと思います。
目次
自分たちの目指すライフスタイルを決める
まずはFIREを実現した後の理想のライフスタイルを考えてみましょう。
生活する上で重視する点は人によって異なり、それによってFIRE達成までに用意すべき金額が変わってきます。
車を持つか持たないか
例えば、車を持つのか持たないのか、という選択。
比較的都心に近い駅の近くに住み車を持たないことで、
ガソリン代や車検代・自動車税といった車に関する費用や駐車場代を節約することができます。
住んでいる場所の状況やライフスタイルの関係で車を持つ場合は、
これらの経費を加味してFIRE資金を用意する必要があるでしょう。
将来子どもが欲しいかどうか
20代・30代と言えば、ちょうど結婚して子どもを持ち始める世代とも重なります。
子ども一人を成人させるまでに必要な資金は、
大学までの教育費用も含めて約2,500万円~4,100万円とされています。
子どもを持つかどうかで、用意すべきFIRE資金の金額は大きく異なってくるのです。
FIREでは貯蓄を年4%で運用しながら生活をするため、
必ずしも子どもの養育費の全額を用意する必要はありません。
ただある程度の資金を貯めてからFIRE生活に入ることをおすすめします。
人生において何を重視するのか
結局、この段階で考えるべきなのは、
“人生において自分が何を重視するのか?”という点です。
趣味を充実させるライフスタイルを送りたいのか、その趣味はどんなものか。
食費だけは我慢せずにお金をかけていきたいのか、
それよりも他の経費にかけていくのか。
将来子どもを持ちたいのか、持たないのか。
ここでしっかり将来の自分を想像しきれるかどうかが、
その後のFIRE計画の正確さや実現可能性の高さに影響してきます。
自分の理想のライフスタイルを、できるだけ想像してください。
ライフスタイルを実現するために必要な金額を決める
自分の目指すライフスタイルを決められたら、
それを実現するために必要な年間の支出を考えていきます。
FIRE資金の目安は「年間支出の25倍」
FIRE資金の金額の目安は、年間にかかる支出の25倍とされています。
つまりここで決めた金額がFIRE資金の計画にダイレクトに影響するわけなんです。
また、将来の支出を決めるためには、
今実際にかかっている水道光熱費や通信費・住居費などを正確に把握していることが求められます。
今の生活費と将来のライフスタイルを考慮して、年間の支出を考えてみてください。
いざという時の支出にも備える
FIRE資金の計画を立てる上では、
いざという時の支出にもある程度耐えられるような計画を立てることが重要。
例えば、急なケガや病気による医療費。
若いころの医療費はかかっても数万円ですが、
男女共に50代を超えると医療費は平均年間20万円を超えるとされています。
また、自分が歳を取るということは、親も歳を取り、介護が必要になるということ。
親の介護費用については、
・親が用意してくれている場合
・保険でカバーする場合
・介護者が負担する場合
などがありますので、前もって親と話し合ってみても良いかもしれません。
年間支出×25倍を貯められそうか考える
一旦年間支出を算出した後は、25をかけて実際に用意すべきFIRE資金を計算してみましょう。
年間支出が200万円なら25倍で5,000万円、
年間支出が500万円なら25倍で1億2,500万円。
数字にして出してみると、
「5,000万円なら何とか貯められそう」
「1億円を超える資金を貯めるのはかなり大変そう」
と実感が湧いてくるのではないでしょうか?
貯められそうであればよいですが、不安な場合は年間支出を見直してみましょう。
もちろん自分の理想のライフスタイルにも修正が加える必要が出てきますが、
FIREを実現するためには避けられない作業です。
FIRE資金をどのように稼ぎ貯めていくか決める
最後にFIRE資金をどのように貯めていくのかを決めます。
FIRE資金形成のための手段は、貯蓄と投資の二本柱
基本的には、年間収入の50%を貯蓄に回し、
利率の比較的よい株式投資を中心に投資をするのが理想。
ただし株式投資はリターンが高い代わりにリスクもあるので、
不安な方は低リスク低リターンの投資信託を組み合わせるのもよいでしょう。
iDeCoやつみたてNISAも活用
FIRE資金を効率的に貯めるために、iDeCoやつみたてNISAを使ってみるのも一つの手。
iDeCoは毎月決めた金額を積み立てていくもので、
60歳になるまでは積立金を引き出せませんが、掛け金を所得控除にして節税することができます。
つみたてNISAは年間40万円までの非課税投資枠の中で生まれた運用益や譲渡益が所得税非課税に。
通常の投資より低リスクで取り組めるのもポイントです。
おわりに:”理想のFIRE”は人によってそれぞれ!
ここまで、経済的に自立して早期退職をするFIREの実現のために、
ぜひ考えておきたいことについてご紹介してきました。
自分の理想のライフスタイルを考え、
その生活を実現するために必要な年間支出を計算し、その貯め方を計画する。
このように細かく考えることで、FIREの実現可能性を高めることができるのです。
理想のFIRE、理想のライフスタイルは人それぞれ。
簡単に諦めてしまう前に、少しFIREについて考えてみてはいかがでしょうか?