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ビットコインは資産として成り立つのか?

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今回は「ビットコインは資産として成り立つのか?」についてお伝えしていきます。

 

ビットコインは2017年に一度、仮想通貨バブルで億り人という言葉が流行し、

そこで一気に広く投資、投機対象として認知されましたが、

それまではマウントゴックス事件などのハッキング事件や、

ダークウェブなどでマネーロンダリングに使用されるなど、

世間的な印象は良くありませんでした。

 

しかし最近では、2020年3月のコロナショックを底に、

過去最高値である 6万ドルを超えるまで価格が上昇し、

改めて資産として注目されるようになりました。

そして今では、ビットコインという言葉を知らない人はいないほど認知されるようになりました。

しかし、多くの人はビットコインに対してほとんど知識がありません。

 

そのため、ニュースなどで「ビットコイン6万ドル超え!投資熱高まる」

といった熱狂的な雰囲気だけでビットコインへの投資を行う方が後を絶ちません。

 

しかし投資するのであれば、当然可能性とリスクの両面を理解し、

分析した上でお金を投じる必要があります。

 

ということで、そもそもビットコインって何なの?

という初歩的なところを含めてビットコイン(暗号資産)を理解していきましょう。

 

まずはビットコインが何なのか掴んでいきましょう。

ビットコインを発明したのは日本人?

ビットコインは、2008年10月に、ナカモト サトシ(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物が

インターネット上に投稿した論文によって提唱された「電子通貨決済システム」です。

 

ナカモトサトシというと、日本人?と思われると思いますが、実はどこの国の人か、

男性か女性かも分かっていない謎の人物なのです。

 

ちなみにその時の論文はネット上で閲覧することができますので、よかったら見てみて下さい。
https://bitcoin.org/bitcoin.pdf
日本語版 https://bitcoin.org/files/bitcoin-paper/bitcoin_jp.pdf

 

今では徐々にビットコインを利用する人も増えてきていますが、

最初、名前も性別も分からない人物が発案した怪し気なものが広まったのは、

なぜなのか不思議に思いませんか?

 

それは、たった9枚の論文に書かれた内容が、今までの通貨の概念を覆すほど革新的だったため、

複数のプログラマーが面白がってビットコインをオープンソースで開発したことから始まります。

 

もちろんその段階では、ゲームのお金と一緒で何の価値も持っていません。

 

ところがある時、エンジニアの一人がメーリングリストでビットコインとピザの交換を呼びかけ、

それに応じた人がいたことからビットコインが通貨としての価値を持ちます。

 

なんとその時の交換レートは

ピザ2枚=1万BTC!1BTC 600万円換算で600億円!!!

今、その交換した人が手元にビットコインを持っているかは分かりませんが、

ピザ2枚が600億円に化けるんですから、夢のような話ですよね。

 

ということでビットコインが価値を持ったのはたまたまですが、

その裏にはエンジニア達をワクワクさせるような、

そして世界を震撼させるような革新的な技術があったというわけなのです。

 

何が革新的だったのか?

銀行などの金融機関のシステムは、中央集権型システムといって、

それぞれの銀行が中央で顧客情報や口座残高、取引履歴などを管理しています。

 

一方でビットコインは、P2P(ピアツーピア)ネットワークと呼ばれる分散型システムで

取引を管理されています。

つまり、ネットに繋がったPCどうしが、それぞれで取引履歴を管理しています。

そうするとデータが改ざんされたり、覗かれたりしないのか?

と思われるかもしれませんが、覗き込まれないよう暗号化されていますし、

ブロックチェーンという技術によってセキュリティを守りながら、

分散されているわけなんですね。

 

ブロックチェーンについては、

みんなで管理する台帳のことだと思って頂けるといいと思います。

 

そして、中央集権システムは、全てのデータが中央のメインシステムに保存されていますので、

仮にメインシステムがハッキングされてしまった場合、

一網打尽でとんでもないことになってしまいますが、

分散型管理システムであれば、世界中のコンピューターで取引履歴が管理されているため

そのようなことはなく、安全性が高いと言えるのです。

 

これらの技術は、フィンテックのように、金融とITによる決済、

融資などの金融サービスを躍進させました。

 

仮想通貨はビットコインだけではない

ビットコインは、「仮想通貨」や「暗号資産」などという表現をされますが、

仮想通貨というとビットコインだけだと思っている方も少なくありません。

 

しかし仮想通貨自体はビットコインを含め、1000種類以上あります。

ビットコイン = 仮想通貨ですが、

仮想通貨 = ビットコインとは限らないということです。

 

そしてこの流れで、「仮想通貨」や「暗号資産」とはどんなものなのか、

ということもお伝えしておきましょう。

 

日本では下記のように定義されています。

「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、

「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。

 

(1)不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる

(2)電子的に記録され、移転できる

(3)法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

仮想通貨とは、電子的に記録されたものなので、あくまでも電子データです。

そのため、目に見える姿形が存在しません。

 

ビットコインのイメージ図によく出てくるように、

大きく「B」と書いてあるコインが実在するわけではないんですね。

 

さらに、電子マネーや法定通貨とはどのように違うのか、

分かりづらい部分もあるかと思いますので、そちらにも少し触れておきます。

 

電子マネーとビットコインの違い

電子マネーとは、紙幣や硬貨といった現物の貨幣を使わないで

データのやりとりで決済を実現する手段の事です。

 

身近な例でいうとSuicaやPASMOなどですね。

これは日常生活に深く浸透しているのでイメージしやすいと思います。

 

そして、電子マネーは、現金と等価交換となります。

 

あくまでも法定通貨(日本円や米国ドル等)を便利に使うため、

それを電子化したものだということですので、日本なら日本、アメリカならアメリカでしか利用できません。

 

それに対してビットコインは、外貨と同じくレートがその時々で変化します。

 

ビットコインを利用して商品を購入する際には、まず手持ちの通貨を、

その時のビットコインレートで両替して使用します。

 

そしてビットコインは無国籍通貨なので、決済を導入している世界中の店舗などで

利用することが可能です。

 

仮想通貨と電子マネーにおいて、同列で論じられるのは「決済の機能」であるため、

表面上分かりづらい部分もありますが、内部の仕組みは全く異なるものなのです。

 

法定通貨(円や米ドル等)とビットコインの違い

仮想通貨は通貨ではありますが、法定通貨とは異なります。

最大の違いは、日本円や米ドルなどの通貨を管理する「中央銀行」が存在しないことです。

通貨なのにどこの国も企業も、ビットコインの発行・流通には関与していないのです。

 

では、どうやって通貨としての価値を担保しているのでしょうか。

通常の通貨は、価値の裏付けとして国の信用(昔はゴールド)がありますが、

ビットコインには価値を保証するものがありません。

 

価値は、ビットコインの所有者が皆で認めているというだけのものなのです。

こう言うとビットコインに対してかなり不安を持たれてしまうかもしれませんが、株も同じですね。

 

株も、この株が上がりそうだという期待値で価値が決まっています。

期待値が0になれば価値も0になってしまいますので、

株も投資している人たちがそれぞれで価値の裏付けを行なっているということです。

 

ビットコインの場合、世界的に通貨として流通していくことでニーズが高まり、

価値が上がっていくだろうという期待値で価格が上昇しています。

 

法定通貨は、発行枚数は中央銀行の采配で決まるため上限がありません。

今、世界中でお金がじゃぶじゃぶとばら撒かれていますよね。

 

なので、将来的には通貨価値が下がっていくことが予想されています。

一方、ビットコインは発行上限枚数が2,100万枚と決まっています

(仕様変更で上限が変更される可能性はあります)。

 

上限が決まっていますので、ばら撒きによる価値が下がることはなく、

逆に需要と供給のバランスで価格は上がっていくと予想されています。

 

なぜビットコインが注目されるのか?

冒頭にお伝えしましたが、ビットコインは2020年3月のコロナショックから暴騰し、

2021年3月現時点では600万円台、時価総額はなんと約122兆円に拡大しています。

世界の時価総額ランキングで見てみても、

AmazonやGoogleの時価総額に匹敵するものになっていますので、

どれほど注目されているかわかりますよね。

 

なぜこれほどまでに注目が集まっているのか?

現在、再びビットコインバブルのような相場になっていますが、

2017年、 2018年の高騰時とは違う事情が見えてきます。

 

大口投資家の参入

仮想通貨バブル時の一獲千金をもくろむ個人の消費的指向の存在とは大きく様変わりし、

投資対象の1つとしてプロの機関投資家や企業も参入するようになりました。

 

また、法的整備も進んだことや、先物取引やオプション取引をスタートする証券取引所も増えてきており、

流動性が増してさらにビットコインに投資しやすい環境が整ってきています。

 

法定通貨への不安

機関投資家をはじめとする多くの投資家がビットコインに注目する背景に、法定通貨への不安があります。

中国やインド、アルゼンチンやナイジェリアなど、政治不安や経済不安により、

国の通貨が信用されていないところも多くあります。

 

そういう国の信用がないところでは、自国通貨の価値がいつなくなるか分かりませんので、

米ドルや他の信用のある国の通貨に簡単に交換できるビットコインが重宝されるているというわけなのです。

 

さらには貧しい国では、個人が銀行口座を持つこともできません。

ビットコインであれば誰でも簡単にネット上でウォレットを作ることができ、

簡単に取引、管理できるため、注目が集まるのは必然と言えます。

 

ただ現状、信用があるとされている国の通貨でも、世界中で財政出動がおこり、

巨額のマネーが市場に流れ込んだことにより、(特に最近、新型コロナの影響でそれが顕著になっています)

市場にお金が溢れている状態となっています。

 

このような大規模な金融緩和は将来的なインフレリスクも同時に抱えることになるので、

米ドルをはじめとする主要な法定通貨でさえ価値が低下することが懸念されています。

 

それに対して発行枚数の上限が決まっているビットコインは、「デジタルゴールド」と評されています。

実物のゴールドも、あと10数年後には枯渇してしまうと言われており、その希少価値には注目されています。

 

無尽蔵に供給されない実物のゴールドと同様、

ビットコインも希少性の高い資産として注目されているということです。

 

おわりに

最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

今回はビットコインの基本的な内容について解説させていただきました。

今後、ビットコインは大きく価格上昇していく可能性も十分にありますが、リスクも大きい商品です。

 

投資はあくまでも少額で少しずつ、⻑期で行いましょう。

 

ビットコインの場合、ボラティリティが激しいため、初めての取引で大きく利益を出す方もいます。

しかしそこで調子に乗って大きく投資してしまって失敗するパターンもよくあります。

 

そして、値動きは1日で数十万、百万単位動くことも頻繁にあるため、

さっき大きく含み益を抱えていたのに、すぐに含み損になってしまった。

 

またその逆も。

なんてこともしょっちゅうです。

 

なので、値動きに敏感になり過ぎると一喜一憂して安定した精神状態で過ごせなくなってしまいます。

 

投資スタンスはあくまでも⻑期的に。

 

そして、資産として成り立たなくなる決定的なシチュエーションになった時に、

素早く売り抜けられるよう、資産状況の確認と、アンテナは常に貼っておくようにしましょう。