近年アメリカを中心に流行りを見せている、「FIRE」という生き方がある事を知っていますか? ・サラリーマン生活から解放されて自由に生活したい ・この先何十年も働きづめの人生は嫌だ といった方に向けて、FIREという生き方についてご紹介したいと思います。
目次
FIREとはいったい何?
FIREとは「Financial Independence,Retire Early」の頭文字を取った言葉。 経済的自立と早期退職を意味する言葉で、資産運用による経済的自立を実現して会社や組織にとらわれない生き方を指します。 単なる早期退職と異なるのは、FIREは資産運用を積極的に行っていくことで、会社の退職時に必要な資金を少なくできるという点。 基本的に年4%という運用益を目指して手元の資金を増やし、生活費に充てていきます。 一日の大半の時間を費やして毎月一定額の給与を受け取るというサラリーマンの生き方に限界や疑問を感じる人を中心に、FIREが今盛んに叫ばれているのです。
FIREのメリット・デメリット
資産運用による資金の確保を前提とするFIREには、メリットもデメリットも存在します。 「こんなはずでは……」という事態を避けるため、メリットはもちろんデメリットもきちんと理解しておきましょう。
FIREのメリット
- コンパクトな生活を手に入れられる
- FIRE実現後は働かなくてもよい
- 生活の場所を自由に選ぶことができる
まず一つめのメリットは、FIREを実現する過程でコンパクトな生活を手に入れられるという点です。 FIREを実現するためには、多くの人が日々の生活費の削減と貯蓄・資産運用を行います。 その過程で自分に必要な生活費だけを残したコンパクトな生活を送れるようになります。 生活費を抑えれば抑えるほど貯蓄に回せるようになり、FIREというゴールが近くなると言えるでしょう。 また、FIRE実現後は働かなくてよいというのもメリットの一つ。 もちろん資産運用を中心としながら緩やかに働くという選択肢もあります。 資産運用は場所を選ばないので、生活の場所を好きに選ぶことができます。
FIREのデメリット
- 年4%の運用益が維持できるとは限らない
- 急な出費への対応が難しいことも
- キャリアが止まってしまう
FIREでは、投資によって年4%の運用益を得ることで生活費をまかないます。 しかし必ずしも年4%の運用益を得られるとは限らないので、計画の見直しを迫られることが。 また、急なケガや病気・車の買い替えといった出費への対応が難しいことも。 こうした事態に備えるため、FIREを達成するための計画はある程度余裕を持たせる必要があるでしょう。 また、FIREをするといったんキャリアが止まります。 やっぱり仕事への復帰をしたいとなった場合に困ることもあるため、FIREを達成したとしても何かしら自分のスキルを磨く習慣は残しておきたいものです。
こんな方法が!実際のFIREの事例紹介
続いて、実際のFIREの実際の実例を見てみましょう。 FIRE達成のためには、一年間の生活費×25倍の資金を貯める必要が。 そのために取れる戦略は、 ①生活費の削減 ②貯蓄の増加 ③株式等への投資 の組み合わせ。 「一年間の生活費×25倍」とも言われるFIRE資金を貯めるための方法をご紹介します。
副業収入を投資に回し、2年間で3,000万円の資産を形成
まずは一人でのFIREを達成した事例。 サラリーマンとして働くAさんは、そのかたわら副業をし、副業収入を丸々投資に。 この時点ではある程度のリスクを取りつつ効率的にリターンを得るため、株式を中心に投資をしました。 そしてFIRE決意から2年間で3,000万円ものFIRE資金を貯めることに成功! 元々物欲も少なく生活費を抑えた生活をしていたため、年間の生活費は120万円ということでFIRE資金の形成に成功したのです。
DINKSで徹底貯蓄、株式投資も組み合わせて5年でFIRE達成
共働き世代(DINKS)なら二馬力で稼ぐことができるため、FIRE達成のハードルも低め。 基本に忠実に、生活費を抑えて株式投資も活用し、5年後には6,250万円の貯蓄に成功! 車の要らない地域に住むなどして固定費用を削減したことも結果につながりました。 将来子どもを持ちたい場合には、+1,500万円ほどFIRE資金が必要です。
iDeCoやつみたてNISAといった制度をフル活用
効率よくFIRE資金を貯めるためには、便利な制度をフル活用するのがおすすめ。 例えば、老後の資金を貯めるためのiDeCoという制度。 毎月一定の掛け金を拠出して運用し、60歳以降に年金という形で給付金を受け取れます。 掛け金は年末調整で所得控除ができるほか、運用益も非課税。 つみたてNISAも、年間40万円分の非課税投資枠までは所得税非課税で投資をすることができます。
おわりに:FIREは目標ではなく手段!
経済的自立を実現し、会社や組織に縛られずに自由に生活することを目指すFIRE。 しかし重要なのはFIREそのものではなく、FIREを達成することによってどれだけ有意義な人生を送れるかということではないでしょうか? FIREそのものを目標とするのではなく、FIREはあくまでも幸せに生きるための手段としてとらえていくのがよいでしょう。