コラム

初心者でもわかりやすい|アフターコロナはインフレ?

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この記事でわかること💡

・インフレ/デフレとは何か

・経済においてどちらがいいと言えるのか

・今までの動向とコロナ後の課題

 

この記事は5分ほどで読み終わります。

 

 

新型コロナウィルスが、世界経済に多大な影響を与えということは言うまでもない事実です。

すでにこの生活に慣れを感じている反面、まだまだ規制がかかる日常に我慢の限界を感じている方も多くいると思います。

 

アフターコロナの時代を迎えた時、我々の生活は今と、そしてコロナ流行前とどのように変わるのでしょうか。

 

その議論の中の一つとして、アフターコロナではインフレになるのか、デフレになるのかという議論があります。

 

インフレ・デフレとは

インフレ

まず、インフレとは何を意味するのか、簡単に見てみましょう。

インフレとは「物の価値の上昇」と定義されています。

 

例えば、りんごが一つ100円で売られているとします。

ところがある日、100円だったりんごが200円で売られている。

このリンゴが値上がりしている状況、謂わばモノの価値の上昇がインフレです。

 

モノの価値が上がるということは、お金の価値が相対的に下がるということでもあります。

りんごを買いたくても、手元に100円しかなければ買うことはできません。

これは、100円(お金)の価値が以前より下がったことになります。

 

デフレ

逆に、モノの価値が下がり、お金の価値が上がる状態をデフレといいます。

 

100円だったりんごが、50円で買えるようになったという状況です。

一つのりんごに対してかけるお金が減り、100円で二つのりんごを買えるようになります。

 

デフレはモノの価値が下がるということで

「食料品やモノを安く買えるようになるんだからいいじゃないか」と思う方もいると思いますが、

物価が下がるということはそれが引き起こすサイクルによって業績が下がったり賃金も下がる可能性があります。

 

このサイクルの先に待っているのは、業績の低下を抑えるために人員を減らすことによるリストラ、

それにより日本の経済状況は悪循環に完全に陥ってしまう可能性もあります。

 

インフレとデフレどっちがいいの?

では、ここまででインフレとデフレ、どちらがいいのだろうかと考えた方もいるのではないでしょうか。

 

好循環を生み出し経済的に理想とされているのは、『緩やかなインフレ状態』です。

 

ただし、戦後の混乱期のような極端なハイパーインフレは経済を破壊する恐れがあります。

モノやサービスの価格が急激に上昇すると、それに対する賃金の上昇が追いつかず、

生活に必要な買い物もできなくなってしまいます。

 

日本経済をデフレから脱却させるためには、2%程度の緩やかな物価上昇率が理想とされています。

 

物価が緩やかに上昇することで、企業業績が向上し、従業員の賃金が上昇し、

消費が上向くため無理なく経済状況を回復させることができるのです。

 

コロナ後はインフレになるの?

新型コロナウィルスが流行する前の状況を思い出してみましょう。

当時は低インフレ、低金利、低成長などが、日本のみならず、米国や欧州諸国でも経済社会において大きな懸念材料でした。

というのも、もし利下げ余地が限られデフレに陥ると、通常の金融緩和策では脱却が難しくなり、経済が滞る可能性があるからです。

 

しかし、新型コロナウィルスの流行以降、この状況は一変し、最近ではインフレ率の上昇も懸念されています。

 

日本では、2021年9月の生鮮食品除く消費者物価指数(CPI)が原油価格の高騰などの影響により、

1年半ぶりに前年同月比でプラスとなりました。

また、円安の進行による食料品や日用品の価格高騰も懸念されます。

その中で、飲食店や個人、事業主に給付金を出したりと、

大幅な追加財政支出や日銀が巨額の資金供給を行ったことにより更にインフレを押し上げるとの指摘があります。

 

2008年は中国をはじめとする新興国の経済成長により、食料をはじめとする生活必需品の価格が大きく上昇しました。

また、CPIの前年同月比は2%上回る結果となっています。

 

2013、14年度は、円安による輸入物価の上昇と2014年4月に実施された消費税増税により、物価が上昇しました。

2002年の春から夏にかけて、CPIは3%以上も上昇しました。

日本の物価動向については、「デフレの定着」と言われることが多いですが、物価が一直線に下がり続けているわけではないのです。

 

現状、デフレともインフレとも言えない、横ばいの状態なのです。

 

それぞれのコロナ禍の影響を受ける支出

そして、新型コロナウィルスの終息が遅れていることもあり、

雇用や所得の改善が停滞し、最近の家計消費もこれにより低迷しているのが現状です。

 

このような消費動向の弱さを考えると、

アフターコロナ時代ではコロナ禍で先延ばしにされていた消費に対する需要が期待されますが、

旅行や外食などの活動は時間がかかるものであり、

これまで控えていた時間を補い経済をすぐに回復させるほどの消費には満たないと考えられます。

 

まとめ

このような状況下で今後の価格動向を考えるには、経済全体の需給の推移に注目することが有効です。

実際、上記の図からGDPギャップと物価の推移を見ると、

物価はGDPギャップに対してやや遅れ気味に推移していることがわかります。

 

直近では、新型コロナウィルスの最悪期(2020年4-6月)に比べ、GDPギャップ(需要ギャップ)は縮小しきています。

ただ下落が大きかっただけに、景気回復には未だ足踏みしており、雇用と所得の大幅な改善はすぐには望めません。

このような状況のもと、基礎的な価格に対する下落圧力は今後も続くと思われます。

 

実際専門家の間でも、アフターコロナでインフレになるのか、デフレになるのかの意見が分かれています。

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