投資全般

最近話題のNFTってなに?

最近話題のNFTってなに? | サムネイル画像

最近よく耳にするようになった、NFTとはなんでしょうか?

今回は、簡単にNFTとは何か、基礎知識から、どのような市場価値があるのかまで、詳しく解説していきます。

 

NFTとは何か?

NFTとは、「偽造できない鑑定書、所有証明書付きのデジタルデータ」のことを指します。

ビットコインなどの仮想通貨と同じく、ブロックチェーンという技術を用いて取引されるものです。

今までは、デジタルデータは簡単にコピーができていた為、資産価値を付加することが難しかったのですが、

ブロックチェーンという技術ができたことによってこの状況がガラッと変わりました。

 

ブロックチェーンとは、

「取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術」とされています。

データの破壊・改ざんが極めて困難なこと、障害によって停止する可能性が低いシステムが

容易に実現可能等の特徴を持つことから、銀行業務・システムに大きな変革をもたらす可能性を秘めています。

仮想通貨が価値を持つようになったのは、この仕組みのおかげです。

 

ブロックチェーンができるまでは、デジタルデータのコピーや改ざんを直接防ぐ技術はありませんでした。

この技術を用いて、デジタルデータに価値を持たせることを可能にしたのものが、NFTです。

 

NFTの活用事例

最近話題になったNFT活用事例としては、坂本龍一氏の代表楽曲「戦場のメリークリスマス」の

595音のメロディーを1音ずつデジタル分割し、595音(個)を1音1万円でNFTとして販売するというものがありました。

販売開始から5分で300音が完売しました。

 

また、最近ではメタバースに特化したニューヨークの不動産投資ファンドが、

仮想のゲーム空間の土地を5億円で購入したり、

カナダの投資会社が、ミニゲームで遊んだりできるメタバース「ディセントラランド」で

2億8000万円でデジタル商店街を購入したりしました。

 

メタバースとは、オンライン上に構築された3DCGの仮想空間のことです。

 

これらもNFTで固有性証明ができているからこそ、

メタバースに存在する土地や建物に証明書が付与されることで、

その固有性が保証され、希少性が生まれる為、破格の値段で仮想空間状の土地が売買されるというわけです。

 

NFTで期待できる分野は多く、デジタルアートやゲーム、漫画なども利用が期待できます。

 

NFTと暗号資産の違い

NFT(Non-Fungible Token)は、いわば暗号資産(仮想通貨)の兄弟分で、

どちらもブロックチェーン上で発行・流通するデジタルデータの一種です。

先ほど述べたように、一般に、デジタルデータはコピーや改ざんが容易です。

そのため、海賊版や違法コピーされた作品が出回りやすく、

現実の資産や売上と比較して価値を持ちにくいという問題がありました。

 

一方、ブロックチェーン上のデジタルデータは、参加者間の相互検証によりコピーや改ざんが困難であり、

デジタル空間での価値の交換が可能となります。

この特徴が、一時は600万円を超える価格となったビットコインなどの暗号資産の価値を支えています。

 

これを通貨ではなく、コンテンツやデジタルアイテム全般に応用したものがNFTです。

 

NFT=改ざん不可能な真正性証明書&所有権証明書付きデジタルデータ

NFTの3つの特徴

相互運用性

NFTの大半は、発行された時点から複数のウォレットやマーケットプレイスで確認・利用することが可能です。

これは、NFTの仕様が共通の規格(イーサリアムブロックチェーンの場合、ERC721が一般的)

で定義されていることに起因します。

 

例えば、音楽でも絵画でも、本物であることを示す証明書のフォーマットは決まっています。

この規格に則って発行されている限り、どのサービス上のNFTも、

原則として他のサービスで扱うことができるようになります。

 

トレード性

従来、ほとんどのデジタルデータの所有権は、それを発行した会社のサーバー内で管理され、

サービス提供者は、ユーザーがデータの所有者であることを証明する書類を提出する必要がありました。

 

これに対し、NFTの所有権は特定のサービスベンダーではなく、ブロックチェーン上に明示されているため、

ビットコインなどの暗号資産と同様に、所有者はNFTを自由に譲渡することができます。

 

また、NFTの所有権は一意の所有者に紐付けられ、偽造や複製ができないため、

本物の美術品やコレクターズアイテムのように資産価値のある存在として、取引市場が確立されることになります。

 

プログラミング可能性

NFTは、データ自体に様々な付加機能を持たせることができます。

例えば、画家が自分の絵を画廊に売り、画廊がそれをオークションにかけた場合、

画家はオークションで利益を得ることはできません。

 

さらに、最初の購入者がその絵を転売しても、画家には何の利益も入りません。

しかし、NFTの場合は、絵画そのものに、そのような回転納品で購入価格の一部が、

画家に支払われるプログラムを付与することができます。

 

このように、資産そのものにあらかじめ様々なインセンティブやお金の流れを組み込むことができる点に

新しさがあるのです。

 

NFTのリスク

NFT作品の価値消失リスク

そもそもNFTは、デジタルデータに対してのみ認可を与えるものです。

そのため、デジタルデータの複製を妨げるものではありません。

 

当該デジタルデータが他のプラットフォームに依存している場合、

例えばTwitterが運営を停止した場合、Twitterのツイートデータの価値が失われることが懸念されます。

 

NFT作品の価値が失われるリスクにどう対処するかは今後の課題です。

 

法的に未整備である

NFTは、資金決済法上の暗号資産に該当しません。

そのため、金融規制の監督対象外であり、何らかのトラブルが発生しても自己責任となるのが現状です。

 

守るべきコンプライアンス基準が整備されていない中で、トラブルが発生した場合には

各自が責任を持って対処しなければなりません。

 

価値が低下するリスク

現在のNFT市場は、入札価格や取引価格が非常に高く、

本来の価値に比べて価格が高すぎるバブル状態であることが懸念されています。

 

現在、NFT市場で売買やオークションを行っているのは、美術品コレクターではなく、

投資家が多いという指摘があります。

 

NFTの今後

NFT業界は急速に発展しています。

 

現時点では、NFTはアートやゲームに使われることがほとんどです。

 

しかし、前述した楽譜の音符のように、何でもNFTになる可能性があるのです。

デジタルアートに限らず、あらゆる作品に独自性という付加価値が有利に働くでしょう。

 

このように、NFTはデジタル資産の価値化という側面から、

幅広い業界で活用されることが期待されており、今後も市場の拡大が見込まれています。